こころぉはニルヴァ〜ナよ!おすすめ度
★★★★★
私は細野晴臣氏のことを、いつのまにか勝手に「オルタナ」に分類してしまっている。
ニール・ヤングや、バッファローズ・スプリングフィールドから始まる音楽性。
ビートニクや、ネイティブ・アメリカンの思想に根ざす反文明、自然主義的な態度、そしてオカルト的な視点。
ワールドミュージックや、エロクトロを経てなおも探し続けるネクスト・ステージ。
Alternative.まさにその言葉の通り、次の、代わりとなる新しいシーンを常に求め続けているのだ。
このトリビュートを聴くと、さらにその思いを強めた。
サーストン・ムーアや、バッファロー・ドーター、ドクター・ジョンという人達が、まさに細野氏の「オルタナな」精神性を引き継いで、その楽曲を楽しげにぶっ壊しにかかっている。
以前のトリビュートに比べ、このアルバムの参加メンバーはさらに多彩!
冒頭の小平市立上宿小学校のみなさんをはじめ、古くから親交のある、鈴木慶一、鈴木茂、久保田真琴、吉田美奈子といった人々をはじめ、エロクトロから田中フミヤ、それからさきに述べたオルタナ勢に、聞いたこともない若い?バンド。
みんなそれぞれに、自分の個性で、楽しげに演奏し、オリジナルの楽曲に忠実なものはひとつもない!といっても過言ではない。
そのなかで、坂本龍一が、リスペクトをこめて、細野氏がわざわざ自分の曲調(ピアノの指運びまで、)真似て作曲している「ノルマンディア」を演奏しているのがおもしろい。
むかしのラジオ番組で、この曲を聞いた坂本氏が笑い出し、最後には絶句したことを覚えている。
全体的な印象として極楽、涅槃、あの世、はらいそ(パラダイス)。まさに究極なネクスト・ステージを感じさせる一枚です。
Tv
第1弾が大好評を博し、2007年夏には日比谷野外音楽堂にて生誕60年を祝うトリビュート・イヴェントも開催された、日本が世界に誇る音楽王・細野晴臣のトリビュート・アルバム第2弾。真っ先に目を引くのが、かなり豪華なメンツが集結していた前作に負けず劣らずの多彩な参加アーティストで、連続出場となったヴァン・ダイク・パークスがハース"All Together Alone"マルティネスと共演した英語詞による「ろっかばいまいべいびい」や、ニューオーリンズの重鎮ドクター・ジョンがブードゥー風味で妖しげにキメる「AIWOIWAIAOU」、サーストン・ムーア(SONIC YOUTH)がYMOをカヴァーする「灰色の段階」といった強力な個性あふれるカヴァーに、思わず我を忘れて聴き入ってしまう。シーナ&ロケッツによる最高にカッコいいロックンロールの「Pom Pom 蒸気」や、吉田美奈子がなんと松田聖子を歌う「ガラスの林檎」など、細野縁のベテラン勢も聴きものが多いが、やはり白眉は、鈴木"リアル東京シャイネス・ボーイ"慶一によるセカンド・ライン風リズムの「東京シャイネス・ボーイ」だろう。(木村ユタカ)
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