桑田という存在おすすめ度
★★★★★
桑田はサザンを最も愛し最も嫌っている人間だと思う。
1988年に3年ぶりにサザンとしての活動を再開した桑田だけれど
本当はソロを続けたかったのではないか。少なくともあの時点では
サザンに戻る必然性はまったくなかったと思う。
でも結果としてサザンに戻った桑田は『真夏の果実』『希望の轍』などの名曲を書いた。
そして1993年、再びソロ活動を始めた。僅か5年でである。
1994年にリリースされたこのアルバムは桑田のソロ名義としては二作目となる。
明らかにサザンとは違うサウンド。これこそが桑田のやりたかった音楽ではなかったか。
サザンでは聴けない歌があるおすすめ度
★★★★☆
「孤独の太陽」では、何よりもまず音のシンプルさが印象に残る。数曲は小倉博和との2人のみで演奏されている。
そしてアルバムを通じて、桑田佳祐が「独り」であることが、強く感じられる。独りであるがゆえに、泥臭く、無骨な曲が多い。歌詞も社会を痛烈に批判したものや、少年の孤独、いじめなど、マイナス視点のものが目立つ。いわば、人間の闇の部分にスポットライトを当てている。
このアルバムを聴く者は、桑田佳祐と1対1で対峙せねばならない。そしてそれがゆえに、聴く者の魂を鷲掴みにしてくる名盤と言える。
フォーク・ブルースが中心の「孤独の太陽」は、ロック中心の「ROCK AND ROLL HERO」とは趣を異にする。聴く人によっては、暗い印象しか受けないかもしれないが、決して無視してはいけないものを孕んだ作品である。
桑田佳祐的日本のロックの帰結おすすめ度
★★★★★
桑田佳祐の底知れぬ才能を痛感する1枚だ。まずはその音楽性。アメリカ西海岸〜南部のサウンドをベースにしてイーグルスやボブ・ディラン、クラプトンらから吸収した曲作りとアレンジを聴かせたかと思えば、名曲「月」では日本的な旋律を自在に操り、宇崎竜童の「身も心も」のような和風バラッドをやってのける。ストーンズを意識したアレンジやニール・ヤングっぽい楽曲もあったりと、とにかく幅の広さを見せつける。また桑田を「歌詞を重要視しない人」と言う評論家もいるがそれは全くのナンセンスで、この人ほど“言葉の重さ”を知り抜いている人はいない。伝えるべき言葉がある楽曲ではそれを伝える歌唱をしているし、サウンドやノリ重視の楽曲では歌詞を楽器と同様の“道具”として扱っているだけだ。昔のフォーク歌手の残党のような輩がくだらない説教を“メッセージ”と称して得意になって歌っているが、そんなイカサマ歌を聴かされるのほどツラいものはない。むしろ歌詞に意味を持たせない部類の桑田の楽曲の、サウンドの力強さやアレンジの多彩さを聴いた方がよっぽど励まされる。桑田が下した結論とは「結局日本のロックとは洋楽を真似ただけの、根ざした軸のない何でもアリの雑学音楽だ」という事のような気がする。その居直った感性と、それら洋楽を完璧に消化し切った桑田の音楽性に驚かされるのだ。特にこの作品は、桑田のそんな意識と先述した音楽性を強烈に感じ取る事が出来る、色濃いアルバムである。それにしても「月」は名曲。
サザンなんてという方におすすめ度
★★★★★
昔の私はサザンオールスターズは大嫌いでした。
何か能天気で薄っぺらい感じがして...
でも、このアルバムと出会ってから、桑田佳祐が大好きになりました。
ひねくれていた私の心には、このアルバムの歌が
どんなサザンの歌より刺さってきました。
これがあって、さらにサザンがあるのかと...
正直いって、サザンが好きな方はこのアルバムはダメかもしれません。
でも、このアルバムにハマってしまったら最後、
最低でも一年に一回は聞たくなることになるでしょう。
これはやばい。おすすめ度
★★★★★
フォーキーでシンプルなのに、圧倒的にクオリティの高い作品群。こんな音が作れる人いますか?いません。僕は浴びるように音を聞く輩ですが、ここまで洋楽に勝るとも劣らぬ音を作れるのは日本人では彼だけです。もう聴いた人もお伺いしますが、10年以上前のアルバムなのに、全く古さを感じないですよね!?サザンの顔としての桑田からは想像できない男のRock!!かっこいいです。制作当時に身内の不幸があったことも作品の影に関係ないとは言い切れませんが、どちらかというと、やりたいことをやった、に近いでしょう。無き母に送る「Journey」、涙無しではとても・・。他にも内省的な曲や社会風刺の曲が多いですが、時事的な問題を扱っているようで、10年経った現代の世界でも歌の内容がぴったりはまります。そういった意味で、いつの世も変わらない普遍的なことを歌っているんだと気付かされます。そして曲はもちろんのこと、歌詞がものすごいです。ある有名小説家も(ほんとに有名な人ですよ)尊敬に値すると語るほどです。言葉の魔術師としての桑田さんの才能は、ここである種の悟りの境地に到達したといっても過言ではないですね。この「孤独の太陽」、桑田佳祐の最高傑作にして不朽の名作です。このアルバムに出会わずに人生を終える日本人はかわいそうです。多分米が嫌いとかよりも痛いです。さらに、山崎まさよし氏の「一番好きなアルバム」でもあります。一枚いかがでしょうか?絶対期待は裏切りっこないっすよ。
Tv
1994年9月に発表されたセルフ・プロデュースによるソロ第2弾作品は、ギターの小倉博和とのコンビネーションで骨太サウンドを展開。フォーキーなロックに、時代へのノスタルジーを垣間見たりもするが、感傷的というより、宝物をみつけた男の子たちが寄って集っての大騒ぎという無邪気さを受けとめることができる。また、桑田佳祐が自分自身と対峙(たいじ)した感もあり、タスクを重ねてきた男の本音が吐露されているかのようでもある。旨味のある作品だ。<9>が某アーティストへの中傷との騒動もあったが…。(春野丸緒)
酒蔵
知床
ペットフード
自己破産 手続き
英語教師